有効的な移動平均は2つの論理から成る

移動平均はトレンドやサイクル、投資心理を見る指標として有効的なツールです。
それでは移動平均の期間はどのようにして定めればいいのか?
それを議論するうえで有効的、もしくは効果的な移動平均はどのような論理から成り立っているのかを理解する必要があります。

 

移動平均が効果を発揮する時というのは以下のパターンです。
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相場は移動平均の方向性に従い、時には下値支持線、上値抵抗線の役割を担っている。
しかし、移動平均の期間や相場サイクルによっては効果を発揮しない時もある。

 

そこで移動平均が効果を発揮する時の2つの前提条件を知る必要がある。


⑴ 市場サイクルと波長が合う時
常にうまく働く移動平均は存在しません。
なぜなら市場それぞれサイクルがあり、移動平均の期間と市場サイクルの波長が合った時に移動平均の効果が発揮されやすい。
例えば米国株式指数は20週間(140日)のサイクルを持つと言われているので、その場合、偶数の調和関係にある移動平均で構成した方が良いことになります。
(例.10日、20日、40日移動平均線…)

 

自己実現的な予測が生まれる時
自己実現的な予測とは「予測」に基づき、皆が同じ行動をすることで、実際にその予測が実現してしまう現象です。
これは⑴のサイクル論とは違い心理的な要素が強い。
そのため、自己実現的な予測を移動平均に用いるには市場ごとに精通した移動平均を使うことが最も有効的です。
簡単に言えば皆が使っている移動平均を使うことで自己実現的な予測は生まれやすいということです。
米国株式指数の場合だと50日移動平均線と200日移動平均線が中期、長期トレンドのベースとして広く使われています。