過去最大の大幅減産?織り込めない市場

4月2日、トランプ大統領のツイートが話題を呼びました。
f:id:thomasc:20200405074602j:image
『世界で日量1000万バレルの減産目指す』
このツイートをキッカケに大幅減産の期待感が広がり、原油相場は一時30%急騰。
大幅減産に対して、悲観と楽観が混じるようなムードになりました。

 

大幅減産に関してOPECの中心であるサウジアラビアは、減産することの条件として、アメリカやカナダ、メキシコなど外国の減産協力が必要と述べています。
ロシアもサウジアラビアと同じ意見で、アメリカも減産に参加するべきとの見解を示しており、4日にはアメリカが減産に参加しないならロシアはサウジアラビアとの減産に合意しないとまで言っています。

しかし、多くのシェール企業が油田開発を手掛けるアメリカが減産に参加することは難しいことを理由に、アメリカは減産の参加には消極的です。
アメリカは大幅減産に期待しているものの、「サウジとロシアで」と協調しています。

 

ヘッジファンドや投資家が安くなった原油の買い戻しチャンスを狙っていると思います。
私自身も同じです。
しかし、サウジとロシア、アメリカの意見が一致しておらず、現段階ではどちらかが譲歩しなければ、減産合意はできないと思います。
目先重要になるのは9日に予定されているOPEC+のテレビ会議です。(6日から9日に延期)
そこで減産に関する口先合意があるかもしれません。また決裂もあり得ます。
もし、日量1000万バレルの減産が実現すれば、それは原油市場全体の10%に及びます。

 

原油チャート 日足
f:id:thomasc:20200405074755j:image
短期トレンドの節目としていた20日移動平均線(赤)をブレイクアウト
減産合意がなされれば、50日移動平均線(黄色)がある40ドル付近まで上昇する可能性があります。
しかし、世界では新型コロナウイルスの影響で原油に対する需要が激減しており実需的な観点から50ドルは一つのレジスタンスとなる可能性があり、減産合意の実現で40ドル前後まで上昇すれば空売りを狙う投資家が多くなると考えています。