FRB、緊急利下げとQE再開 「何故このタイミングに?」
日本時間16日6時頃にFRBは緊急で1ポイントの利下げとQE開始の発表を行ないました。
今回の利下げでFFレート0%~0.25%となります。
QEの総額は7000億ドルです。
内訳→財務省証券に5000億ドルと住宅ローン担保証券に2000億ドル
緊急利下げの実施で3月FOMCはキャンセルです。
直ぐにパウエル議長の記者会見が実施されたので、重要な文言をまとめてみました。
・経済が良くなるまで当分金利を維持
・経済データは良い、労働市場は堅調
・銀行は健全に稼働している
・ドル安定を目的に各中銀と協調
・目先は財務省証券市場を安定させる
・2020年第二四半期GDPは弱くなると予想、それ以降は不明
・マイナス金利は導入しない
・QEの制約はない 裁量で買う
政策金利がゼロとなり、大規模な量的緩和が開始されました。
しばらくは政策金利を維持する、とのことなのでゼロ金利が一つ節目なのだと思いました。
堅調な労働市場を強調していたものの、景気先行き不透明感や不安定な財務省証券市場に懸念を示していました。
銀行は健全に稼働している、とのことなのでリーマンショック時のような状況ではないことは確かだと思います。
QEに関しては昨年のように「月購入額」を定めずに「裁量で買っている」ことを主張しており、これは今後のリスクに備えて強気で買っていくニュアンスに聞こえました。
緊急利下げを受けて米先物市場は大幅に下落してサーキットブレイカー(一時取引停止)となりました。
先物市場の動きから見て取れるように、今回の緊急利下げの印象は前回と同様良くなかったと思います。
投資家、トレーダーからこのような意見が出ています。
『新型コロナウイルスによる影響は実需低下だ。 つまり、利下げは効かない』