金利を据え置き続けるカナダ

アメリカ、ドイツ、中国でリセッション(景気後退)懸念が広がっています。
市場は警戒を強め、リスク回避の方向に依然傾いています。
リセッションシグナルがいくつか見られます。

 

アメリ
⇒2.10年債による逆イールドカーブ
⇒30年債、過去最低水準

ドイツ
⇒製造業PMI、マイナス成長
⇒4-6月期GDPマイナス成長
⇒長期債、初のマイナス金利

中国
人民元が初の1ドル=7元台

危機を感じたのか、アメリカは追加減税を計画、ドイツは財政支出準備を計画、中国はLPR(実質利下げ)、内需刺激策を計画しています。

 

慌ただしいい同3ヵ国の通貨は依然、戻り売りでよさそうです。
そんな中、密かに注目を浴びている通貨があります。

カナダドルです。
現在カナダの政策金利は1.75%あります。


しかし、8月14日カナダの債券市場でも逆イールドカーブが出現していました。
イールドカーブが出現すれば早くて半年、遅くて3年の間にリセッションが来ると言われており、信ぴょう性のあるシグナルです。


2000年にもカナダ債券市場で逆イールドが出現しており、その後カナダ中銀は積極的に利下げをしています。

 

カナダは2018年に0.25%利下げが実施されましたが、その後はずっと据え置かれています。
カナダ中銀金融政策は9月4日です。
各国で利下げ競争が起きており、先進国の高金利通貨で利下げが実施されていないのはカナダだけです。

 

9月4日カナダ中銀が利下げに踏み切るか、通貨市場は大きく動くと思われます。

 

CADUSD 週足チャート

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紫色の移動平均線が200MA、オレンジ色の移動平均線が50MAになります。

200MAが上値を抑え、50MAを下抜けしています。

RSIから見ても幅余地は中立です。

再び安値水準へ切り下がる可能性があります。