ウォ―レン・バフェットが懸念した公的マネー

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ウォ―レン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイは第一四半期に約5兆円(497億ドル)の純損失を出しました。
現在多くのメディアが報道しており、投資家の間でも話題となっています。

注目されているのはバークシャーが投資していたのは航空株です。
いうまでもなく航空業界は新型コロナウイルスによる影響で大打撃を受けています。
バークシャーは安くなった航空株を買って、1カ月後に手放しています。


ウォ―レン・バフェットの投資スタイルは長期投資で『喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分間でも株を持とうなどと考えてはいけない』という有名な言葉を残しています。
しかし、今回航空株を買って、1カ月後に手放すという異例な行動に出ました。
ウォ―レン・バフェットが航空株を手放した理由はキャッシュが不足しているからではありません。
むしろバークシャーのキャッシュは1240億ドルと過去最高です。

 

航空株を手放した理由について、ウォ―レン・バフェットはこのように述べています。
『自由市場が複雑になった』
ウォ―レン・バフェットがいう「複雑」というのは公的マネーです。
アメリカ政府の2兆ドル経済支援や、FRBの無制限金融緩和による数兆ドルの流動性により、『自由市場が複雑になった』と述べています。

一般的に言えば「公的マネー」といわれる、政府や中央銀行の経済支援や金融緩和は打撃を受けた産業の助けになるので、投資という意味ではポジティブです。
しかし、ウォ―レン・バフェットは公的マネー流入により、「判断が変わった」という一般の投資家とは真逆の考えを持っているところが非常に興味深いです。

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